特殊詐欺撲滅宣言(美川憲一さんver)

- Advertiser
- 長野県警察
- Agency
- SBC信越放送
- 中村光子
- Pl+Dr+Ca+Edit
- 土橋利章
- Asst
- 中沢仁美
- 照明+音声
- 佐藤勉
- NA
- 沢井美和(mimmit)
- 出演
- 美川憲一
信州安全安心サポーターでもある美川憲一さんを起用した特殊詐欺の撲滅、防止・抑止のCM。
こちらは「美川憲一さん」らしさが出て、気張らず見やすい雰囲気になることを優先に心掛けて作りました。
以前、同じく特殊詐欺を扱ったCMを森本レオさんと三四六さんで作らせていただきましたが、個人的にはあれ以上にピンポイントのメッセージ性があるCMは作れないと感じています。
それほど考えて、これしかないというものができました。
じゃあ それを繰り返し流せばいいじゃない?と思いますが、あれは「オレオレ詐欺」の注意を、被害対象になる方の家族へ向けて訴えたものでした。
オレオレ詐欺にも注意が必要ですが、昨今違う手口の詐欺が色々あるようで、今はキャッシュカード詐欺や架空料金請求詐欺と呼ばれるものが増えているそうです。色々仕掛けてきて、厄介ですよね…。
その手口をこのCMを通して知ってもらいたい。キッカケだけでも詐欺だと気付くヒントを与えたい。
というのがこのCMの役割です。
普段ローカルCMはタレント性には頼りません。いや、予算がなくて頼れないだけですけど…
実際に僕はアイデアで勝負してやる!という気持ちを持っているのは確かです。
ただし今回は、純粋に内容を広く県民の皆さんに伝えたくて、それにはどなたかの力をお借りしたい!
ということで信州安全安心サポーターでもある美川憲一さんのお力をお借りすることになりました。
わたくし土橋の出身地でもある諏訪のご出身です。
個人的にもお会いできて光栄でした。
CMは6月OAで2タイプ。
どちらも、ただ第三者として内容を呼びかけるだけでなく、視点を少し変えて感情移入しやすい形にしました。
15秒という短いCMですので、どこか印象に残るところがあって、まずは見た人の気に留まってくれたら嬉しいです。
ここからは記録メモです。
歌の収録
誰もが知る美川さんの代表曲のひとつ「さそり座の女」を替え歌にして、美川さんがより一瞬で美川さんだと認識されるCMにしたいと考えました。
怒られることも覚悟しての提案でしたが、楽曲の使用を快く承諾し、権利的にも許可いただけました。
歌収録は制作したオケに合わせて歌っていただきましたが…音量確認のお試し歌唱でもう完璧でした。いや、僕が完璧と言うのも失礼な話なんですが。
逆に美川さんが「もう一回」や「こんな感じだとどう?」と何回も歌ってくださり、ただただ心地よく聴かせていただきました。
自分のオケで、美川さんの歌が直で入り聴こえてくる。こんな経験はもう無いと思います。
こんな満足気なことばかりを言っていると仕事放棄みたいですが、最初に述べた通り、世間が思う美川さんらしさが重要と考えていたので、最初から歌のうまさだけでなく「ザ!美川憲一」が来て、もう言うことがなかったのです。
映像撮影
撮影は衣装や背景をチェンジして何度も撮らせていただきました。
警察官衣装もレアですが、他の衣装に着替えて来られた美川さんは、脳裏にあるイメージそのままで、自然とスタッフ全員から感嘆の声があがり、拍手をしていました。
撮影の一つは、後撮影となるピィじいさんとの共演。
ここは「カメラ目線で曲を歌って、ピィじいさんを見てから目線を戻して驚く」という内容で、これを決まった短い尺の中で演技しなければいけない激ムズカットでした。
経験上、簡単にはできない演技のため、プランはいくつか用意していました。
①原案のまま
②ずっとカメラ目線にする
③ピィじいさんを見る。驚く。を別カットにする
そうしたら、何の問題もなく①をこなす美川さん…。凄すぎます。
またその他のセリフは15秒CMには収まりきらない情報量でした。
巻きでお願いもしましたが、それで無理やり尺に収めた場合、優先事項の美川さんらしさがどうなるか?
途中からは、カット割は後で変える想定もして、より美川憲一さんからの呼びかけになる映像を撮ることに集中しました。
美川さんもとてもご理解いただいていて「わたしよくこういう言い方するんですよ」と良い雰囲気で喋ってくださいました。
こうして作られたCMです。
こちらが色々注文をするまでもなく、理解をして取り組んでくださり、終始スタッフのことも気遣ってくださった美川憲一さん。
仕事だったのに、スタッフは美川憲一ショータイムを満喫させていただいた気持ちです。素敵なお時間をありがとうございました!
(なんか感想がお客ですね…。)
それから別撮影となったピィじいさん様もありがとうございました。
長野県警察では、現状を極めて深刻な状況と呼びかけていて、特殊詐欺の件数が増えてしまっているということです。
CMを通じて状況を劇的に変えるということは難しいのかもしれませんが、長野県の皆さまが悲しい思いをしないで済むよう、少しでも届いてくれることを願っています。
土橋 記